はじめてご相談いたします。
　前歯４本を支えるため３５年程前からブリッジで左右４．５の歯で支えていましたが２年程前より歯医者さんで左右４番目の歯はとって見ないとわからないが中でぐずぐずになっているだろうから抜いたほうがいいといわれてきました。最近右の４番目ははれて歯茎が痛んだためもう限界といわれました。今は抗生物質を３日ほど飲んでいます。
　他の歯医者さんで歯茎のレントゲンを撮ったら中が割れている歯の根もともかげがある、歯茎から針をさすと中まで針が通る、普通は針は入らない。 もう治療はできませんといわれ抜歯しかないといわれました。左も時にくさい臭いいがします。
　観念して抜くしかないと思っているのですが骨粗しょう症の薬（ベネット）を１年半飲んでいることで抜歯もできない状態です。副作用であごの骨が腐ることも１０００人に一人と聞いているので本人の了解のもとでないと抜歯できないといわれもし副作用が出ればあごが腐ってもっと大変だからこのままにしておいたほうがいいかもといわれました。
　抜いた後の入れ歯がいやなのでそのままにしておくほうがいいのかもと思いますが今よりもっとひどくなって痛み、大変なことになってしまうのか、それとも副作用を覚悟で抜いたほうがいいのか混乱しています。薬をやめて副作用がなくなるのは何ヶ月かかるでしょうか。
　いったん飲んだ人はもういつもその危険があるとも行っておられましたがすべて自己責任で決心しなければならないのでしょうか。もし抜かずに様子を見ていれば確実にわるくなり化膿して病巣も広がるのでしょうか。そして痛くて我慢できないときに危険を覚悟で抜いたほうがいいのでしょうか。本当に歯には苦労しています。
　ベネットのことでは医者さんには情報が回っているのでどこへ行っても同じ答でしょうといわれました。どうぞご意見をお聞かせください。お忙しいところすみません。

はじめまして。院長の平井 基之と申します。
　たいへんお困りのようで心中お察し申し上げます。
　さて、この薬についてはずいぶん前より「あやしい」とされてきましたが、ここ数年特にクローズアップされてきました。
　私どもは、介護老人施設を運営しておりそこでも多くの方がこの手の薬(ビスフォネート製剤）を飲んでおり、実際知らずに抜歯などを行っている事もありました。
　幸いにして、骨が腐ってきたケースはありませんでしたが、今後は注意深く行って行きたいと思っております。
　さてお尋ねの件ですが、残念ながら長期のデータが少なくはっきりした事がいえません。
　少なくとも、ビスフォネートの中で静脈注射でする薬は骨が腐るリスクは非常に高いとされておりますが、ベネットを含む飲み薬では比較的すくないとされております。
　したがいまして、抜歯するかしないかは、歯科治療の緊急性、必要性との比較と考えます。
　また、休薬してどれくらいで大丈夫かのデータもはっきりしたものが無く(通常の薬は2週間ですが)3ヶ月以上ともいわれております。
　ただ、歯科治療が必要ならばいずれはしなければなりませんので、積極的に考えられたらいかがでしょうか。
　私のところでは、このような場合は都立大塚病院の口腔科　田中潤一医長に対診を求め、治療を行っております。